FXトレードの定番ツール「MT4」は基本的にWindowsでのみ動作し、Macでは使えないことが多いです。
しかしトレーダーの中には「Macは持っているけれどWindowsは持っていない」という人もいらっしゃるでしょう。
そこで今回はMacでMT4を使いたい人向けに動かす方法や手順、利用方法などをまとめました。
この記事を読めば、手持ちのMacでMT4を使った取引ができるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
MacでMT4を動作させる4つの方法
MacでMT4を動かすには次の4つの方法の中から選ぶ必要があります。
- VPSを使う
- MT4ウェブトレーダーを使う
- BootCampを使う
- Windows仮想化ソフトを使う
それでは各方法の詳細をみていきましょう。
VPSを使ってオンラインサーバー上のWindowsでMT4を動作させる
VPSはバーチャルプライベートサーバーの略で、オンライン上にあるサーバーに割り振られた、自分の領域を利用できるサービスです。
VPSはWindowsOSになっているため、MT4をダウンロード・インストールし、Macから操作することが可能。
Mac環境下で使えるのはもちろん、スマホ・タブレットからログインできるため、外出先からMT4を操作したいケースでも活躍してくれます。
VPSのメリット
MacからVPSにアクセスし、MT4を利用するメリットに次の2点が挙げられます。
- Macの電源を落としていても24時間VPS上でMT4を稼働させ続けられるためEA(自動売買)に最適
- 自宅よりも通信環境が優れていることが多い
各メリットの詳細は次のとおりです。
VPSは24時間ずっと稼働し続けている
自分のPCを使ってMT4を稼働させられるのは、電源を入れっぱなしにして、PCを起動している間だけです。
そのため電気代やPCの消耗などが気になる人もいるでしょう。
さらに言えば、落雷や災害など予期しない停電が原因で取引できなくなった…といったケースを回避できるのもメリットです。
MT4の自動売買は基本的に電源を入れっぱなしにしておかなくてはならないので、自動売買メインでトレードしようと考えているMacユーザーにとって、まさに一石二鳥のサービスとなっています。
通信環境が安定し滑りが少ない
VPS業者は通信環境に力を入れていることがほとんどで、自宅のインターネットよりも安定・高速通信が可能となっています。
FXトレードで滑り・スリッページが頻繁に起こると、思うような取引を行えず、損失につながってしまうことも珍しくありません。
VPSを使うことで、自宅の回線を変えることなく、安定した通信環境化でMT4を使ったトレードを実現できる可能性が高まります。
VPSのデメリット
VPSを使う上で気をつけなくてはならない点が2つあります。
- 毎月のランニングコストがかかる(月額1,500円~)
- VPSのスペックが低いと動作が重い可能性がある
それぞれ内容をみてみましょう。
ランニングコストがかかる
VPS業者は基本的に月額制を導入しています。
サービスによって価格が異なりますが、目安は月額1,500円~。
契約するプラン(サーバーの性能など)によってコストが高くなっていくため、FXで毎月しっかりと利益を上げられなければ、コストがかさんでしまう事態も考えられます。
一部のFX業者は、条件達成で無料のVPSを提供しているところもあるため、VPSにかかるコストを削減したいなら検討してみるのも良いでしょう。
無料VPSを提供しているFX業者 | 条件 |
---|---|
GemForex | 口座残高が50,0000円(5,000ドル以上) |
フォレックス・ドットコム | 口座残高30万円以上かつ月50万通貨以上の取引 |
スペックが低いVPSはMT4の動作が遅くなることも
MT4が要求するマシンスペックはさほど高くはありません。
しかしEA(自動売買)やたくさんのインジケーターを同時に起動させると、そこそこのマシンパワーが必要です。
VPSは契約したプランに応じてマシンスペックが決まっていますが、あまりにも低スペックなVPSを選ぶと、MT4がまともに稼働しない恐れがあります。
複数のMT4を稼働させたい…例えばMT4口座ごとに異なる通貨ペアを使っている、といった人は、多少月額が高くなっても、メモリの容量が多いプランを選ぶようにしましょう。
MT4に適したVPSを提供している業者
MT4のためのVPSプランを提供している業者をまとめました。
業者 | 月額料金 | プラン | メモリ | ハードディスク | CPU | 初期費用 |
---|---|---|---|---|---|---|
CoNoHa for Windows Server | 1,500円(※ライセンス料月額500円を含む) | WIN1GB | 1GB | SSD 100GB | 2コア | 無料 |
お名前ドットコム デスクトップクラウド for MT4 | 1,560円~ | 1.5GBプラン | 1.5GB | SSD 60GB | 2コア | 無料 |
ABLENET VPS | 1,981円 | win1 | 1GB | SSD 60GB / HDD 100GB | 2コア | 1,800円 |
つかえるネット | 2,280円(※2年契約の場合) | シルバープラン | 2GB | SSD 50GB | 3コア | 2,000円 |
上記表はレギュラープランの内容となっています。
なお、各VPSサービスについては以下のページで詳しく比較していますので、ぜひ参考にしてみましょう。
お名前.com FX専用VPSについては以下のページをご参照下さい。
ウェブトレーダーはブラウザ上でMT4を稼働できる
MT4ウェブトレーダーを使えばブラウザ上でMT4を利用できるため、Macでも使えます。
普段使っているブラウザ(SafariやGoogleChrome、FireFoxなど)からアクセスし、ログインすればすぐにMT4を使ったトレードが可能なので、コストも手間もかかりません。
MT4ウェブトレーダーのメリット
MT4ウェブトレーダー最大のメリットは、自分のPCにクライアント版MT4をダウンロード・インストールする必要がないことです。
ブラウザ上でログインすればすぐにMT4で取引ができるため…
- Macでも使える
- 出先のPC(ネットカフェや会社のPCなど)でも取引できる
といった使い方も実現可能です。
MT4ウェブトレーダーのデメリット
デメリットとして次の2点が挙げられます。
- 機能が限定的(裁量トレードメイン)
- 対応するFX業者を選ばなくてはならない
それぞれ詳しくみていきましょう。
ウェブトレーダーは機能が少なめで用途が限定的
MT4ウェブトレーダーの弱点は、クライアント版と比べて機能がかなり限定的な点です。
具体的には次の2つがあります。
- EAを使った自動売買ができない
- インジケーターが少なく、カスタムインジケーター非対応
定番のインジケーターは標準搭載されていますが、MT4の強みであるカスタムインジケーターが使えないのはデメリットと言わざるを得ません。
ウェブトレーダーを提供しているFX業者を選ぶ必要あり
MT4ウェブトレーダーはすべてのFX業者が提供しているわけではありません。
対応会社をまとめると次のとおりです。
MT4ウェブトレーダーの利用を検討している人は、上記した業者から選ぶようにしてください。
BootCampを使ってMacにWindowsをインストールする
標準搭載されている「BootCamp」を使えば、今使っているMacにWindowsOSをインストールすることができます。
Windowsをインストールすれば、Mac起動時にMacOS、またはWindowsOSを切り替えて利用できるようになるため、MT4を使えるようになる、という仕組みです。
再起動し、起動中にオプションキーを押し続ければWindowsとMacを切り替えられます。
対象のモデル
BootCampを搭載しているモデルは次の7つです。
- MacBook (2015年以降)
- MacBook Air (2012年以降)
- MacBook Pro (2012年以降)
- Mac mini (2012年以降)
- iMac (2012年以降)
- iMac Pro (すべて)
- Mac Pro (2013年以降)
なお利用時はMacOSを最新版にアップデートしてください。
OSと同時にBootCampもアップデートされます。
空き容量に余裕が無い場合、16GB以上ある外付けのUSBフラッシュドライブを用意すればOKです。
BootCampを使ってMacにWindowsをインストールする手順
Windowsをインストール手順は次の4ステップになります。
- BootCampでWindows用のパーティションを作る
- パーティションをフォーマットする
- Windowsをインストールする
- WindowsからBootCampインストーラーを使ってインストールを完了する
基本的にBootCampを起動し、表示される指示とおりにすすめて行けば問題なくインストールできるでしょう。
BootCampのメリット
メリットは次の2点です。
- 無料で搭載されている機能
- MacでMT4を使える
また標準搭載されているソフトなだけあって、インストールの手順が分かりやすいのもポイントと言えます。
BootCampのデメリット
デメリットには次の3つが挙げられます。
- MT4を使うためにWindowsとMacを切り替えなくてはならない
- Windowsライセンスを購入しなくてはならない
各デメリットについて詳しくみていきましょう。
OSの切り替えがネック
上述したように、BootCampを使ってMacにWindowsをインストールした場合、OSは切替式となります。
そのため、普段はMacを使っている人は、MT4のためだけにWindowsに切り替えなくてはならず、いちいち再起動の手間がかかることに。
Windowsのライセンス購入費用がかかる
WindowsOSは自分でライセンスを購入する必要があり、初期コストがネックになります。
家庭向けのwin 10 Homeなら19,360円~と、決して安い値段ではないため、慎重に検討するようにしましょう。
仮想化ソフトを使ってMac上でWindowsを起動させる
BootCampはMac、Windowsを切り替える必要がありましたが、仮想化ソフトを使えば、Mac上でWindowsを起動させられるため、使い勝手がとても良くなります。
代表的な仮想化ソフト
様々なメーカーから販売されていますが、利用者が多い、有名なものは次の2つです。
- Parallels Desktop
- VMware Fusion
いずれも仮想化専用ソフトとして開発・販売されているだけあって、インストールも簡単。
BootCamp同様、画面に表示される指示に従って進めていけば、簡単にWindowsをインストールできます。
仮想化ソフトのメリット
仮想化ソフトを使うメリットは、ズバリMacを使いながらMT4も使えることです。
例えばMT4で取引しながら、同時にPhotoshopやIllustratorといったソフトを使う…といったことも可能になります。
仮想化ソフトのデメリット
仮想化ソフトでMT4を動かすデメリットはコスト面です。
Windowsライセンスは上述したようにwin 10 Homeなら19,360円~。
仮想化ソフトの値段は…
- Parallels Desktop:79.99ドル
- VMware Fusion:79.99ドル
どちらも約80ドルほどの価格となっています。
2020年8月12日時点のドル円レートは106.73円なので、だいたい8,500円くらいのコストに。
まとめ
今回はMacでMT4を使うための方法について紹介しました。
最後にもう一度おさらいすると
- MT4は基本的にWindows向けで、Macでは動かない
- 対策方法は「VPS」「MT4ウェブトレーダー」「BootCamp」「仮想化ソフト」の4つ
- ウェブトレーダー以外はコストがかかるので、しっかりと検討した上で選ぶようにしたい
の3つが今回のポイントになります。
「MacでもMT4が使えたら良いのに」
「対策方法があれば知りたい!」
といった人は、ぜひこの記事を参考にして、お手持ちのMacでMT4を使えるように、環境を整えてみてはいかがでしょうか。